ページ

2011/12/02

客層を前提に演技内容を考える

ということは、芸人の基本でして、





私は音楽家でありますが、芸人でもあるので、
音楽を作る際にも、客を意識するというか、

いや、どちらかというと、
客の存在がモチベーションになる、ということでしょうか。






環境が充実した現代はともかく、
かつては、作曲家達は、
それを演奏して”もらう”ことを前提として曲を書いていました。


録音媒体がない。
いろんな音の出せる万能な機械がない。
ひとりでは、どうしようもなかったんです。






その意味で、
作曲家にとっての”客”は、
聴衆でもあれ、
演奏家でもあったはずなのです。







中学時代吹奏楽部だった私が、
高校では、軽音楽部に入部し、
そこで、作曲家としての自分が最も大きな影響を受けたのは、
身近な”演奏家”の存在です。


吹奏楽部は、
よくもわるくも規模が大きい。
中学時代に吹奏楽用のスコアも書きましたが、
やはり何十人を巻き込んで演奏してもらうことはできなかった。


それまで、自分のために、
自分一人で完結する曲を作ってきた私が、
軽音楽部時代、
いよいよ、誰かに演奏してもらうための曲を書くようになった、
それは、ひとつの革新です。









演奏者を前提として、書く曲がある。
当たり前なんですけどね。











ただ、
少し、自分の遅筆を呪うこともあります。
例えば、その”誰か”を前提に書いていた曲、
それが完成する前に、
その”誰か”が、いなくなってしまったり、とか。
Powered by Blogger.